さけ、時々、めし

日本酒、音楽、人文科学ラヴァーズ

けっこうハードルの高いビールをわざわざ飲みに行く ベルギー編

2月に1週間休みをもらい、ドイツとベルギーに行ってきた。
せっかくだし酒の情報として発信してみようと思う。今回はベルギー。

ドイツには留学で1年過ごしたことがあり、ケルンやらベルリンやら有名なところからアインベックとかマイナーなところまで結構色々行った。
一方、あまりに真面目な生活を送っていたため、ドイツにいたくせに海外はフランスのパリとオーストリアザルツブルクしか行かなかった。ただ、ビール飲むならドイツ国内で十分じゃん、と思っていたため別に不満はなかった。実際ドイツビアナショナリズム、とでも呼ぶべき盲目状態に陥っていた自分にはそもそも他の国に酒を飲みに行こうという気持ちすら沸いてこなかった。
しかしその後、大学の卒業旅行でチェコピルゼンに行き、抱いていたドイツビアナショナリズムは瓦解し、もっと色々飲んで比較したいな、って思いを抱いた自分にとってベルギーは是非とも訪れてみたい国だった。
ただまあ、当然色々種類がある中で何を飲むか、というのは重要な問題。だから自分は「ベルギー ビール 有名」とか「Belgium beer trip」とか安直なワードをGoogle先生に聞いてみるけど、当然そんな安直な言葉で出てくるアンサーは質問と同様、低レベルであって、満足はできなかった。

そんな中、数撃った鉄砲、という感じでひとつのビールを見つける。”Westvleteren”という銘柄らしい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウェストフレテレン

へえ、ベルギーでも日本酒の14代とか焼酎の3Mみたいになってる銘柄があるのか。ということを知った自分は、わざわざこのビールを飲みに行き、一日を費やすことを決める。(続)

清酒のコモディティ化の是非

 先日、学生時代のバイト先から電話があった。
自分の電話帳登録名はマスターの登録トップにあって、うっかり間違えられることが昔から結構多かったからその時もてっきりマスター間違えたんだろーなーと思ってほっといたんだけど、少し置いてからまさかのワンモアコール。ちょっと驚いて電話を取ると、受話器からはマスターのしゃがれ声。元気ー?仕事どう?みたいなところから始まり、OBの誰々が来たよーとか前お酒送ってくれてありがとうねとか、ひとしきり近況報告やらなんやら話をし、本題はいかに、って訝っていると、マスターから依頼事。
「東京の酒屋で清酒十四代を取り扱っているところに掛け合ってもらって、購入交渉してもらえないか」
 自分は努めて冷静に購入の困難さをとくとくと説いたんだけど、某市では直近更に入手が困難になっているらしくマスターも結構必死。結局自分は依頼を引き受けることにして電話を切る。
 商売は売り手と買い手の二つに分かれている以上、どちらかが優位に立つシステムになっていて、イーブンであることはほとんどない。需要が少なければ売り手が弱いし、逆ならその逆になる。今回のような超売り手市場、かつ希望品がプロダクト品で量産化ができない以上、取れる購買戦術はかなり限定的であり、買い手の立場は弱い。

 取れる戦術としては、他に購買意欲のある人や飲み屋を誘って14代以外の商品をその売り手から共同購買し、全体の購入量を増やして少しでも売り手に対し上客になるくらいしかなく、しかもそれも出来るだけ長いスパン、1年なり2年、確実に規定量を購入するから、という契約を結んだりしなくてはいけない。買い手としては、不要な酒(言い方が悪いけど)を毎月数量を固定して購入することには何のメリットもないから下策でしかないんだけど、プロダクト品を入手するためにはその下策を取らざるを得ないわけだ。うーん、難しい。
 前にも記事にしたけど、そんな手段一般人に取れるわけがないから、楽天で一本2万も3万もするものが売れる、阿漕な商売が成り立つわけだ。

つづく

第三共和制の瓦解

なにこれ、ちょーうまいじゃん?この麦!

って、そんなもしゃもしゃ大麦を食べていふわけでなくて、そのエキスを抽出したのがスゲーうまい。

http://www.mugishochu-iki.com/selection/iki-supergold/index.html

この焼酎、破壊的においしい。上品な甘みと柔らかなメロン感がなんかすげー、くる。

前大分に行ってしこたま麦を飲み、いいちこ独裁制は崩壊し、新しい風が吹いたんだ青年諸君!って思ってたけど、暴風は更に吹き荒れる酒に関しては!長いぜ夜は。

 

 

鶴は、いいやつだったから

地元の新潟の酒が表彰されている。鶴友。
http://mainichi.jp/articles/20161102/ddl/k15/040/151000c
マジカヨーやめてくれーっていうのが正直なところ。っていうのも鶴の友は新潟の下越とか新潟市内で爆発的な人気を誇るけど意外と新潟以外では知られていない、まさに地酒の中の地酒、みたいな存在であるからで、そういう存在がこのように取り上げられてその存在を世に知らされ、有名になると14代みたいなことになるんじゃないかと危惧しているから。前も記事にしたけど、手に入らなくなると嫌だなあ、っていうのが正直なところ。
記事では吟醸部門での表彰になっていて、それが純米ついたり大吟醸スペックでもOKなのかはわからないけど、まあおそらく諸白なんだろうなあと思う。華美に華やか過ぎない上品で抑えめの洋ナシ系の甘み、シルキーな舌触り、主張しつつ激しくない魔法のような酒だった。27BYは。今年はどんななんだろう。高いけど買ってみようかすごく悩む。
一方で、鶴友の神髄は普通酒のレベルの高さにあること言うまでもなく、その適度なコクとふくらみのある味わいはキレとライトさの麒麟山と新潟市内では双璧をなして人気なように思える。ほかに〆張なり村祐なり人気のある酒は当然たくさんあるんだけど。普通酒だと、とどのつまりはどちらかのタイプに収束する、ってそんなことを書いてたら飲みたくなっちゃうけど今日は。

臓物、臓物、臓物

もつ焼き、という食べ物を東京に来て初めて食べた。
実家の新潟も大学時に在住していた札幌でも基本的に内臓食文化はなくて、串物といえば鶏であったし、臓物として食べるのは豚のレバーくらいでそれも別に好き好んで食べるようなものではなかった。意外と損してたなあと思う。酒飲みにとっては。
元々は安い内臓肉と安酒、という組み合わせで、ホッピーや焼酎ハイボールとも密月の関係にあるような感じがするけど、今や人気店はそこらへんのオサレなイタリアンなんか目じゃないぜ、ってくらい半端じゃない並びになっていたりするし、客層もくたびれたおっさんばかりでなくて若者や女性客なんかもいたりする。うまいものは時代年齢越えて普遍的な部分があるんだろうか。
東京で有名なもつ焼きと言えば東側で宇ち多゛や江戸っ子、のんき等、葛飾区に多くある印象があって、そっちに集中している理由は、やっぱり下町やら旧赤線やら闇市やら色々歴史がきっと絡んでいるんだろうなあと思うとたかだか臓物屋のくせに、歴史の証人のようで興味深い。でもまあ、それを果たして論証できるの??っていう問いにはノー。そういうパンクさがいいじゃんそういう飲み屋は。

労働の形、いんほめーしょん

働くようになって初めてお役人さんのホームページとかを見るようになったんだけど、これが意外におもしろい。きちんとしてるんですね、結構。という印象。
役人志望だった友人の性格とか見ても保守的ではあるけどまじめで賢いやつが多かったから、きちんとやっているやつはきちんとやっていてくれるんだろうな、って安心する。実際そうかどうかは別として。
総務省地域活性化の取り組みを行っていたり農林水産省で外食産業の統計取ってたりと、こういうところがこういう取組を行っているんだなあと勉強になることも結構ある。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/chiiki_genki.html
http://www.maff.go.jp/j/shokusan/eat/121109.html

こういうところから商売につながる情報ってないかなあ、ってもやもやする日々。