さけ、時々、めし

日本酒、音楽、人文科学ラヴァーズ

日本酒サードウェーブに対する考察

何年か前くらいから雑誌「dancyu」やその他もろもろ、色々な雑誌で日本酒特集の記事が組まれているのを目にするけど、まあそういう特集が組まれるってことは、多方面への経済効果が期待されていて、そもそも費用対効果が見込まれているから金銭を使って記事を作成しているわけでみんな一生懸命なわけだよね。

いいじゃん、と思う。

酒は四大文明の時から原料は違えど存在していて、儀式や祭事には欠かせないものであったし酒に対する態度も宗教圏や地域によって異なっていて、ある意味文化に影響を与えている存在だとも言えるわけだし。

そういう観点から行くとやっぱり日本酒は日本の国酒ともいえる存在で、今の食文化に寄り添い影響を与えてきたものになる。

けど、清酒の消費量はやっぱり年々減少してきているわけで(アルコール全般そうだけど)、足元声高に叫ばれるアンチ糖質はその消費に間違っても貢献するわけがない。

ぼくの出身の新潟でも、いろんな理由はあれど年々なくなる蔵が増えてきていて、数年前まで90以上の蔵があったのに今では90を切ってしまっている。

「酒が売れない」「消費が伸びない」「日本酒を飲む若者が減った」

酒蔵の人と話をするとやっぱり上のような意見をよく聞く。特に三つ目。

これから消費する対象を増やさない限り、日本全体の胃袋の数は減っていく一方なわけだから蔵元の皆さんも必死に努力されている。

そんな中でいろんなイベントを企画され、広い層に日本酒を知ってもらうべく努力されている。例えばこれとかだと思うけど。

若手の夜明け2016@ベルサール渋谷ガーデン!!!!! | 結城酒造株式会社

素晴らしいなあと思う一方、若手がいないところの蔵や流通量の少ない蔵は出れないんだろうなー、って思うとなんだか切なくなる。こういうイベントで飲んだ銘柄は覚えていて、その酒はおいしかったから別のやつを試してみよう、って考えてくれる人が増えればいいなと思う。

最初に書いたように色々取り上げられて人の目に留まる今、少しでも消費が上向いて、サードウェーブとか一過的なものを超えてくれればと思う。間違っても焼酎ブームと同じ轍は踏まないでくれれば。

ただ、あまりに人気になって自分が飲みたい時買いたい時に手に入らなくなるとなあ、っていうドランカーのジレンマ。