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さけ、時々、めし

日本酒、音楽、人文科学ラヴァーズ

清酒のコモディティ化の是非

 先日、学生時代のバイト先から電話があった。
自分の電話帳登録名はマスターの登録トップにあって、うっかり間違えられることが昔から結構多かったからその時もてっきりマスター間違えたんだろーなーと思ってほっといたんだけど、少し置いてからまさかのワンモアコール。ちょっと驚いて電話を取ると、受話器からはマスターのしゃがれ声。元気ー?仕事どう?みたいなところから始まり、OBの誰々が来たよーとか前お酒送ってくれてありがとうねとか、ひとしきり近況報告やらなんやら話をし、本題はいかに、って訝っていると、マスターから依頼事。
「東京の酒屋で清酒十四代を取り扱っているところに掛け合ってもらって、購入交渉してもらえないか」
 自分は努めて冷静に購入の困難さをとくとくと説いたんだけど、某市では直近更に入手が困難になっているらしくマスターも結構必死。結局自分は依頼を引き受けることにして電話を切る。
 商売は売り手と買い手の二つに分かれている以上、どちらかが優位に立つシステムになっていて、イーブンであることはほとんどない。需要が少なければ売り手が弱いし、逆ならその逆になる。今回のような超売り手市場、かつ希望品がプロダクト品で量産化ができない以上、取れる購買戦術はかなり限定的であり、買い手の立場は弱い。

 取れる戦術としては、他に購買意欲のある人や飲み屋を誘って14代以外の商品をその売り手から共同購買し、全体の購入量を増やして少しでも売り手に対し上客になるくらいしかなく、しかもそれも出来るだけ長いスパン、1年なり2年、確実に規定量を購入するから、という契約を結んだりしなくてはいけない。買い手としては、不要な酒(言い方が悪いけど)を毎月数量を固定して購入することには何のメリットもないから下策でしかないんだけど、プロダクト品を入手するためにはその下策を取らざるを得ないわけだ。うーん、難しい。
 前にも記事にしたけど、そんな手段一般人に取れるわけがないから、楽天で一本2万も3万もするものが売れる、阿漕な商売が成り立つわけだ。

つづく